わっしょいどんどんです。
「店長がソフトクリーム食べに来ていいって。」
私の長男は高校生なんですが、先週アルバイト先でこう言ってもらったそうです。
息子がアルバイトをしているお店では、ソフトクリームを出しています。
もちろん、ソフトクリームを作る機械はお店でも掃除するのですが、
定期的に業者さんに来てもらって、徹底的にきれいにしてもらうのだそうです。
業者さんが掃除した後に作るソフトクリームは、いつも以上になめらかで美味しいとのこと。
それを知っている店長さんは、バイトの日でも給料日でもないのに、
「食べにきていいよ」 と息子に言ってくれたのでした。
いやー。なんて太っ腹な店長さんなんでしょう。
母ちゃんは感激しました。
しかも。
息子に弟と妹がいることを知っていた店長さんは、なんと!
「弟と妹を連れてきていいよ。」
こうまで言ってくれたのです。
「ほんとにいいんかな…」
お店にしたって、ソフトクリームはご商売で出しているわけですから。
バイトさせてもらっている長男だけならまだしも、次男や娘までご馳走になるなんて…
「母ちゃんもダメかな? お姉ちゃんの振りして。」
この女…
何を根拠にそれが通ると思うんだ、お前は。
図々しいのをとっくに通り越して、怨念が乗り移った化け物じみとるわ。
欲しけりゃ、買え。
それが大人というものだ。
「ほんとにいいんかな。店長さんにもう一回、訊いてみて。」
「うん。わかった。多分、大丈夫やと思うよー。」
部活がなく、いつもより早めに帰宅した長男。
次男と娘も一緒に車に乗せて長男のバイト先へ。
「きちんとご挨拶してね。ちゃんとお礼言うげんよ。」
次男と娘に言い聞かせました。
長男を先頭に、3人はお店の裏口から店内へと入っていきます。
何があっても姉では通らない私は、3人の背中を車の中から見送りました。
しばらくすると、出てきた!出てきた!
それぞれ、ソフトクリームを手に持っています。
「ちゃんとお礼言った?」
そこが一番気になるところです。
「うん。大丈夫。俺が挨拶とお礼、ちゃんと言わせたから。」
よしよし。
ありがとう、長男。
お店の近くには公園があります。
「せっかくやし、公園で食べたらどうやいね?」
みんなで、ぞろぞろと公園へと入っていきます。
「俺、昔ようここで遊んだなー。」
ソフトクリームを食べ終えた長男が、木登りを始めます。
「ちょっと、あんた!制服破れたら困るわ!制服って高いげんから!やめなさい!」
次男と娘は公園の中を、ソフトクリームを片手に走り回っています。
こら。落ち着いて食べんかい。溶けるぞ。
娘のソフトクリームは溶けだして、ワッフルコーンの下へとつたっています。
その公園は、すぐそばに海があるので、そちらにも行ってみることに。
海のそばには、野外ステージと展望台があって、地元の子供たちの遊び場になっています。
「母ちゃん、展望台登ろー。」
次男からのお誘いです。
「俺、昔ようここ登ったなー。」
長男が、展望台の下からよじ登ろうとしています。
「ちょっと、あんた!制服破れたら困るわ!制服って高いげんから!やめなさい!」
展望台を降りると、今度は野外ステージで次男と娘のコンサートごっこが始まりました。
それを、少し離れたところから長男と一緒に眺めます。
次男と娘は笑いながら走り回っています。
「こんなとき、本当に幸せやなって感じるわ。ありがとう。」
この機会を作ってくれた長男に、心から感謝しました。
夏になったら、ジャングル地帯になっているスネ毛を脱毛すると意気込んでいる長男。
2ヶ月かかってやっと中耳炎が治ったものの、水が怖くてプールを避けようと必死になっている次男。
ひらがながなかなか読めず、私と一緒に毎日朝晩ひらがなの練習をしている長女。
みんな、元気。
みんな、ありがとう。